『馬』の誕生

馬の歴史

今回の記事では、『馬』という生き物の始まりから、現在の馬の形に至るまでをお話します👀

馬の祖先、エオヒップス属

馬は、奇蹄目:ウマ科の動物です。🐎

では、このウマ科の動物はいつ、どこで登場したのでしょうか?

時は、5,500万年前、地球の温度が急激に上昇したPETM時期、北米大陸の深い森の中に生息していた、以下の可愛らしい動物から始まりました。

彼らは、エオヒップス属のウマ科に属する奇蹄類で、前足の指が4本、後足の指が3本。大きさは、犬のパグより少し大きく、体高が35cmに満たない、現在の馬とは似た箇所がまったくない生き物でした。

オロヒップス属からミオヒップス属

その後、始新世中期に入って気温が下がり始め、北アメリカ大陸も、森から草原へと変化し、約5000万年前には、オロヒップス属、約4700万年前になると、エピヒップス属が登場します。

引用:ウィキペディア (チャールズ・ナイトによるオロヒップス)

オロヒップス属は、約3700万年前に、メソヒップス属も生まれています。また、同時期にオロヒップス属から生まれたエピヒップス属からは、短い期間生存したハプロヒップス属も登場しました。

これまでの進化の過程を図で表すと以下の通りです。

引用:Pacalla

このように、馬は一直線の進化ではなく、枝分かれしながら進化していきました。

ハロヒップス属は滅びてしまいましたが、メソヒップス属が登場して以降、約500万年を過ぎると、体重が2倍以上あるミオヒップス属が現れます。彼らは、前足の指の数が、4本から3本に減りました。

パラヒップス属、アルケオヒップス属、メガヒップス属

2300万年前の中新世になると、気温が下がり続けて、気候が乾草する中で、完全な草原地帯へと変わって行きました。この時期に登場したパラヒップス属は体高が1mに達し、現在の馬により近くなりました。パラヒップスは、奥歯も発達し、硬い植物に完全に適応してきました。

この時期は、アルケオヒップス属という体高50cmの小柄な馬、また、体高が1.3mもある、メガヒップス属という大柄な馬が、生息していたことも分かっており、馬の進化が多様だったことを物語っています。

北アメリカ大陸からの移動

この中新世に登場した馬は、北アメリカ大陸からぞくぞくと飛び出して行きます。

アンキテリウム属の馬は、ベーリング海峡を超えて、ヨーロッパに渡ったり、シロヒップス属はアジアに。また、ヒッパリオン属は、アフリカにも進出していきました。

北米大陸で登場した、パラヒップス属以降、1700万年前に登場した、メリキップス属からは、中指が大きくなり両サイドの指は小さくなっています。

引用:メリキップス (https://note.com/himajin_33/n/n1fb33ea33383)

さらに700万年が過ぎると、カリキップス属、プロトヒップス属、ディノヒップス属が登場します。ディノヒップス属は、体高が約1.5mで大きさと外見が、現在の馬と似ていて、今の馬のように足の指が、1本だけ残っていました。そのため彼らは、現在の馬の直径の祖先と考えられております。

この時期は、全世界の気温が急激に寒くなっており、草原では草を見つけるのが難しい時期になり、遠くまで、餌を探しに行かなければならなくなりました。

その結果、持久力に役立つ健を持ち、骨が変形した1つの馬だけが生き残るようになりました。

それが、エクウス属です。彼らは、頭の先からつま先まで新の馬でした。その後エクウス属以外の馬は、全て絶滅してしまいました。

このエクウスは、300万年前にパナマ海峡が陸地に繋がった時、南米にわたりました。

250万年前には、ベーリング海峡を通じて、アジアやヨーロッパ、そしてアフリカに渡って、いまのような、馬、シマウマ、ロバといった多様な馬に分化していきます。

冒頭でも述べた通り、馬は、北アメリカから始まりましたが、ヨーロッパやアジアに渡ってからは、北アメリカ大陸に残っていた馬は、環境変化や人間の登場によって、約1万年前に完全に絶滅してしまいました。

絶滅寸前、エクウスギガンテウスという巨大な馬が一時登場しましたが、彼らも姿を消してしまっています。

引用:https://wikiwiki.jp/arkse/Equus

その後、アフリカからアジアに渡ってきた人間は、中央アジア地域で生息していた馬を家畜化していきます。

少し長くなりそうなので、今回は、ここでまとめたいと思います。

馬の進化まとめ

・3〜4本の指で歩行していたが、環境の変化等で、持久力+速さが必要になり、中指の1本での歩行になった。

・また、環境変化により、体高が35cmから、現在の体高まで大きくなった。

・エオヒップス属から多様な進化を遂げ、現在のエクウス属の1種に辿りついた。

次回の記事では、人間が、馬を家畜化していく所からの馬と人間の歴史についてお話します。

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参考:

サイエンスドリーム

https://www.toray-sf.or.jp/awards/education/pdf/s62_04.pdf

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